【2020】文学史クイズNo.007

【過去記事】

こんにちは!
ことのは(@kokugohaku)です!

No.001からしばらく「物語」に関する出題が続いておりますが、
「物語」関連の問題も本日で終了です。
さて、本日の問題は?

スポンサーリンク

問題

『源氏物語』の巻名として適当なものを次のイ~ホから一つ選べ。
(2020・関西学院大学・改題)

イ.あて宮 
ロ.夢浮橋 
ハ.国譲 
ニ.月の宴 
ホ.かかやく藤壺

気持ちいいほどの知識問題ですね。
知っているか知らないかです。
知っていれば5秒で処理して次の問題へ。
知らなければ3秒で適当な番号をマークして他の問題に時間と思考力を使いましょう。
知識問題で悩んでもいいことないですね。

さて、聞いたことがあるものはありましたか?

答え

ロ.夢浮橋

解説

『源氏物語』は、54帖で構成されています。
今回問題になった「夢浮橋」は最後の巻のタイトルです。
文学史問題の対策として、全ての巻のタイトルを覚える必要は全くないと思います。
しかし、読解問題でよく出題されますので、大まかなあらすじは知っておくととても便利です!

『源氏物語』のあらすじを巻名からみる

超・ざっくりまとめにはなりますが、
どの巻ではどんな話なのかをまとめてみます。

【桐壺】(1)

源氏が生まれたいきさつの説明です。
源氏の母は「更衣」という、宮中では決して高くない身分でした。
しかし、帝のお気に入りになり、子どもを産むことになります。
ただ、位が高くないということから后候補の周りの女性からはよく思われず、
宮中で肩身の狭い思いをすることになり、思い悩みすぎて母・更衣は亡くなってしまいます。

数年経ち、母に似ているとうわさの藤壺女御が宮中に来ることになります。
母を知らずに育った源氏は藤壺に懐き、母子、または姉弟のように親しくなるのでした。

【若紫】(5)

源氏は大人になり、だんだん藤壺のことを女性として見るようになります。
二人は密通し、藤壺は子どもを身ごもることになります。
藤壺の産んだ子ですから、表向きは天皇の子。
でも実際は違う。
これは大きな天皇への裏切りです。
二人は死ぬまで守り通さなければならない秘密を抱えることになります。

そんななか、源氏は療養先で見かけた小さな女の子を見かけます。
その子が藤壺の姪であることを知り、強引に引き取り、自分の手元で育てます。
これが物語を通して源氏を支える女性「紫の上」です。

【葵】(9)

光源氏には葵上という正妻がいました。
葵上自身はもともと天皇に嫁ぐようにと言われて育てられてきたので、
「なぜわたしが天皇候補ではない源氏と?!」と考えてしまし、源氏とうちとけることができません。
六条の御息所と浮気をしていることも耳に入り、気持ちが晴れないまま過ごします。
なんやかんやで二人の子供が生まれるときに、少しずつ心を通わすことが出来るようになってきたと思いきや、
出産直後、六条御息所の生霊にとりつかれ、子どもを産み置いて亡くなってしまいます。

【賢木】(10)

政治上のライバルの娘と恋仲になり、それがばれて大問題に発展。

【須磨】【明石】(12)(13)

大問題の責任を取るべく、自ら須磨に行くことを決意。
つらくさびしい生活をしていたが、
出会った明石の君と心を通わせ、子どもも生まれますが、源氏は都へ帰ることに。

都に戻ってからも、いろいろな女性となんやかんやあります。
話は少し飛んで…

【若菜】(上下あり、34.35)

女三宮という天皇家の女性を妻として引き取ることになります。
源氏はアラフォー。人生40年と言われた時代なのでもう若くないはずなのですが…。
紫の上はおもしろくありませ
ん。さらに女三宮は世間知らずで、源氏もどう扱ったもんか、と悩みます。

そんな中、源氏の息子・夕霧の友人である柏木が女三宮を一目みて好きになります。
ストーカーチックに追いかけてついに子どもを産ませてしまいます。

お気づきでしょうか。
女三宮は光源氏の正妻です。ですから表向きは源氏の子なのですが、実際は柏木の子。
若き日の源氏と同じことをやらかしたのです。
そのことに気がつき源氏は昔の自分の罪をかみしめることになります。まさに因果応報。

このあと、【御法】(40)で紫の上が亡くなり、
【幻】(【雲隠】)という巻で源氏が亡くなったことが示唆されます。

そしてこの後物語は源氏の子ども・孫の世代へ…

『源氏物語』の最後の10帖は「宇治十帖」と呼ばれ、
薫・匂宮という二人の貴公子と、浮舟という女性の三角関係が山場です。
浮舟は二人の間で思い悩み、宇治川に飛び込んで自殺を図ろうとする…。

ふう。こんな感じです。

かなりはしょりましたが、『源氏物語』の大きなポイントは、
自分がしたこと(天皇を裏切り、藤壺と密通し子供を産ませる)が
巡り巡って自分のところに帰ってくる(自分の妻の女三宮が自分の子ではない子どもを産む)
という箇所ではないでしょうか。

本日は字数多めでしたが、ぼんやりでも『源氏物語』を理解してもらえるとうれしいです。
共通テストの思考調査の「古文」では『源氏物語』が出典になっていましたね。

今日はここまで。
おつかれさまでした!

コメント

タイトルとURLをコピーしました