【風姿花伝】作者・成立年代・あらすじは?~国語予備校講師の文学史解説~

★基礎知識編
当記事では大学受験の文学史対策をしたい人に向けて
・『風姿花伝』の基礎知識(作者・成立年代・あらすじ)
・文学史対策のために覚えるポイント
を解説します!
ことのは
ことのは

こんにちは!
国語予備校講師のことのはです!

日本文学作品はたくさんありますが、大学入試問題で出題される作品や問題には偏りがあります。国語予備校講師が、過去問5年分以上分析した結果からよく出るポイントだけに絞って解説しています。

このページは『風姿花伝』の文学史の知識がほぼカバーできるように作っています。知識整理にお役立てください。

【風姿花伝】に関する問題の出題実績例
・2020年 愛知教育大学
・2017年 神奈川大学
ほか
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『風姿花伝』の基礎知識 作者・成立年代・ジャンルは?

まずは『風姿花伝』(ふうしかでん)の基礎知識を整理します。

作品名作者時代ジャンル内容ポイント
風姿花伝世阿弥室町時代能の理論書世阿弥が得た能の技術書

では、覚えるポイントをひとつずつ確認していきましょう。

作者:世阿弥

『風姿花伝』の作者は世阿弥(ぜあみ)です。
父の観阿弥(かんあみ)と共に「能」(猿楽)という伝統芸能師でした。

小・中学生の歴史の教科書で見たことある名前なのではないでしょうか。

成立年代:室町時代

『風姿花伝』の成立年代は室町時代です。
成立年代に関わる問題もよく出ています。

「能」という伝統芸能は、文化・芸能を愛する足利義満(室町幕府3代将軍)に援助され、発展していきます。

足利義満と結び付けて覚えておけば、室町時代だと判断できそうですね。

ジャンル:能の理論書

『風姿花伝』のジャンルは「能の理論書」(能楽書)です。

「能」という伝統芸能を知っていますか?
舞台上でストーリーを演じる、演劇のようなものだと思ってもらえれば間違いはないです。

「能」の特徴は、登場人物が「能面」を付けて舞台に上がるところ。
能は、はるか昔からあったようですが、芸術として完成させたのは、『風姿花伝』の作者・世阿弥とその父・観阿弥です。

『風姿花伝』は、「能」を披露するにあたっての、技術的なこと、心構えなどをまとめた作品です。

(現代では「能」と呼ばれていますが、当時は「猿楽(さるがく)」と言ったそうです)

室町時代に完成した、能・狂言、江戸時代に流行した、歌舞伎・浄瑠璃などは日本の伝統芸能です。

内容:世阿弥が得た能の技術書

『風姿花伝』には、作者である世阿弥が、能の修行をする中で得た技術・練習法・心構えなどが書かれています。

『風姿花伝』が出典の有名なフレーズが2つあるので紹介しておきます。

初心忘るべからず
学び始めたときの未熟さやそのときの気持ちを忘れてはいけない、の意味で現代では使われる。『風姿花伝』においては、稽古をしすぎて凝り固まるのはよくない、最初の自由さを忘れてはいけない、の意味で解釈されることも。
秘すれば花
ここでいう「花」とは、平たく言うと「感動」のような意味です。
「この話のこの部分が感動ポイントだから!」と先に言われてしまうと、ハードルがすごく上がってしまって、せっかくの見せ場が台無しになってしまうことも。秘密にしておくことで、観客に感動を与えられると世阿弥は考えていたようです。

『風姿花伝』はココが出る!まとめ

『風姿花伝』で覚えるべきポイントをまとめます。

チェックポイント

・『風姿花伝』の作者は世阿弥

・『風姿花伝』の成立年代は室町時代

・『風姿花伝』のジャンルは能の理論書(能楽書)

『風姿花伝』の基礎知識の確認はここまで。
お疲れさまでした!

練習問題も準備していますので、知識が定着しているか確認してみましょう↓

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