・「紫式部」に関する基礎知識(作品・成立年代・あらすじ)
・文学史対策のために覚えるポイント
を解説します!
こんにちは!
国語予備校講師のことのはです!
日本文学作品はたくさんありますが、大学入試問題で出題される作品や問題には偏りがあります。国語予備校講師が、過去問5年分以上分析した結果から「よく出るポイント」だけに絞って解説しています。
このページは「紫式部」関連の文学史の知識がほぼカバーできるように作っています。知識整理にお役立てください。
・2021年 埼玉大学
・2019年 上智大学
ほか
「紫式部」の基礎知識 作品・成立年代・ジャンルは?
まずは「紫式部」が書いた作品の基礎知識を整理します。
作品名 | 作者 | 時代 | ジャンル | 内容 | ポイント |
源氏物語 | 紫式部 | 平安時代 (約1000年) | 作り物語 | 光源氏の恋愛遍歴 | 「もののあはれ」の文学と評価される |
紫式部日記 | 紫式部 | 平安時代 (約1000年) | 日記 | 紫式部が藤原道長の娘・彰子に仕える中で感じたこと | ー |
では、覚えるポイントをひとつずつ確認していきましょう。
作者:紫式部
『源氏物語』と『紫式部日記』の作者は「紫式部」です。
もちろん覚えておくべきことではありますが『源氏物語』の作者としての紫式部はとても有名ですし、『紫式部日記』に至っては、作者名がそのまま入っているので、問題になることはあまりありません。
成立年代:平安時代(約1000年)
『源氏物語』『紫式部日記』の成立は平安時代(約1000年)成立です。
1000年は有名な文学作品が成立しています。よく成立年代が問題になっていますので、確認しておきます。
・和泉式部日記
・枕草子
・源氏物語
・紫式部日記
和泉式部・清少納言・紫式部の3人は、ほぼ同じ時代を生きた人なのでまとめて覚えておくとよいです。
文学史問題としては頻出なので、詳しくは【年代攻略】『源氏物語』以前の作品まとめを参照してください。
ジャンル
『源氏物語』のジャンルは「作り物語」です。
今でいう、小説のようなものです。
歌物語:『伊勢物語』『大和物語』『平中物語』
→詳しくは【歌物語】の代表作3つまとめ
作り物語:『竹取物語』『宇津保物語』『落窪物語』
→詳しくは【作り物語】の代表作3つまとめ
『源氏物語』以前に成立したこの6作品の集大成として『源氏物語』が成立しました。
成立順の問題でよく見かけますので、時代の前後関係を把握しておいてください。
詳しくは【年代攻略】『源氏物語』以前の作品まとめを参照してください。
『紫式部日記』のジャンルは「日記」です。
作品名に「日記」と入っているので、あまり問題になることはありません。
内容:『源氏物語』は光源氏の恋愛遍歴
『源氏物語』は、全部で54帖(章)もあるとても長い物語です。
とてもおおざっぱにまとめると【主人公の光源氏がかなわぬ恋と葛藤しながら、さまざまな女性と恋愛していく話】と言えます。
細かくあらすじを紹介し始めると1ページで収まらなくなってしまいます。
『源氏物語』は読解問題としても根強い人気ですので、大まかなあらすじを知っておくと有利になります。
マンガの『あさきゆめみし』は、めちゃめちゃわかりやすいのでぜひ今のうちに読んで!
内容:『紫式部日記』は藤原道長の娘・彰子に仕える中で感じたことを記録
紫式部は、時の天皇・一条天皇の妻である「彰子」に仕えていた女房(=お手伝い係)でした。
宮中で彰子に仕える中で経験したことを記録しています。
ちなみに彰子の父は、当時権力を誇っていた「藤原道長」です。紫式部が長編『源氏物語』を書き続けられたのも、道長が援助していたからだとも言われています。
(当時、紙は貴重品でした)
ポイント:「もののあはれ」の文学と評価される
『源氏物語』は江戸時代の学者から「もののあはれ」の文学と評価されています。
「もののあはれ」は、現代語とぴったり合う訳が無いのですが、「しみじみとした趣」と訳されることが多いです。自然や出来事に対して「ああ、風情があるなあ…」と感じる気持ちのことです。
ちょっと切ないけれど、心の奥深くに感じるものがある作品だとされています。
『枕草子』が「をかし」の文学と呼ばれるのと対比されています。
「紫式部」関連問題はココが出る!まとめ
「紫式部」関連の問題対策のためにべきポイントをまとめます。
チェックポイント
・紫式部が書いた作品は『源氏物語』『紫式部日記』
・紫式部が書いた『源氏物語』『紫式部日記』は平安時代(約1000年)に成立
・紫式部が書いた『源氏物語』のジャンルは「作り物語」
・『源氏物語』は光源氏の恋愛遍歴
・『紫式部日記』は藤原道長の娘・彰子に仕える中で感じたことを記録
・『源氏物語』は「もののあはれ」の文学と評価される
「紫式部」関連の基礎知識の確認はここまで。
お疲れさまでした!
練習問題も準備していますので、知識が定着しているか確認してみましょう↓
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