この記事はこんな人に向けて書かれています
・大学受験の文学史対策をしたい人
・『たおやめぶり』ついて知りたい人

こんにちは!
国語予備校講師のことのは(@kokugohaku)です!
過去3年分の問題を分析した国語予備校講師が、
効率よく文学史問題を対策するための問題を厳選して出題しています。
さて、本日の問題を確認してみましょう。
次のうち、歌風が「たおやめぶり」と評価される和歌集はどれか。
1.万葉集
2.古今和歌集
3.千載和歌集
4.新古今和歌集
対になる言葉を今までの文学史対策問題集で勉強しましたよ!
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答え
2.古今和歌集
★『古今和歌集』の撰者は、紀貫之・紀友則・凡河内躬恒・壬生忠岑の4人
★『古今和歌集』の仮名序を書いたのは紀貫之
★『古今和歌集』の歌風は「たおやめぶり」と表現される
解説~『古今和歌集』ってなに?~
『古今和歌集』はよく文学史の問題になります。
それだけ知っておくべき特徴が多いということですね。
まずは『古今和歌集』の基本データをまとめます。
【撰者】紀貫之・紀友則・凡河内躬恒・壬生忠岑
【命令を出した天皇】醍醐天皇
【歌風】たおやめぶり
【成立年代】平安初期(約900年)
成立年代について、よく問題になります。
文学史対策問題集No.007で紹介したことがきちんと頭に入っていれば、新しく覚える必要はないですね。
勅撰和歌集の順番を聞く問題もありますし、『源氏物語』以前に成立した作品はどれか?を聞く問題でも答えになりやすいです。
どちらの問題も「平安時代の初期」に成立したということを覚えていれば対応できそうですね!
【撰者】4人&醍醐天皇の令
『古今和歌集』の撰者は4人います。
「仮名序」とは?
『古今和歌集』には冒頭部分に「仮名序」とよばれる前書きのようなものがあります。
どういう意図で『古今和歌集』に掲載する和歌を選んだのか、素晴らしい歌の基準とは何か?などを「紀貫之」が書いています。
よって『古今和歌集』の撰者で「仮名序」を書いたのは誰か?と問題にしやすい訳です。
また「仮名序」は他の文学作品の表現の下敷きになっていることもあるので、書き出しの部分を紹介しておきますね。
【抜粋】
やまとうたは、人のこゝろをたねとして、よろづのことのはとぞなれりける。
ちからをもいれずしてあめつちをうごかし、めに見えぬおにかみをもあはれとおもはせ、をとこをむなのなかをもやはらげ、たけきものゝふのこゝろをもなぐさむるはうたなり。
【意訳(ことのはによる)】
和歌は、人の心を種として、たくさんの言葉になっているのだ。
力を入れずに天地を動かし、目に見えない鬼神をも感動させ、男女の仲をやわらげ、猛き武士の心を慰めるのは歌である。
紀貫之が問題になるパターンはもう一つあるのですが、それは次の文学史対策問題集で紹介します。
【歌風】たおやめぶり
「たおやめぶり」は「女らしい」の意味です。
文学史対策問題集No.001では、
「★『万葉集』の歌風は「ますらをぶり」と表現される」と紹介しました。
『万葉集』は素朴で実直に心の内を表現する和歌が多いことから「男らしい(=ますらをぶり)」と表現されます。
平安時代になり『古今和歌集』の時代になると、掛詞・縁語・序詞など技巧が多用されてきて、はっきりと言わないことが優雅だと評価されるようになります。
素直にありのまま詠むのではなく、繊細な心情を技巧を凝らして表現するようになります。
これを「女らしい(=たおやめぶり)」と江戸時代の学者が表現しました。
まとめ
今回の問題で覚えておくべきことはこちら(再掲)
★『古今和歌集』の撰者は、紀貫之・紀友則・凡河内躬恒・壬生忠岑の4人
★『古今和歌集』の仮名序を書いたのは紀貫之
★『古今和歌集』の歌風は「たおやめぶり」とされ表現される
何度も言いますが、『古今和歌集』はいろんな角度から問題になりやすいです。
今回紹介した事項を知っていれば、ある程度どの角度から聞かれても対応できます!
整理して覚えちゃいましょう!
本日はここまで!
おつかれさまでした!
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