【歌物語】代表作3つを紹介~国語予備校講師の文学史解説~

基礎知識編
当記事では大学受験の文学史対策をしたい人に向けて
・「歌物語」の代表作
・「歌物語」とは何か
・文学史対策のために覚えるポイント
を解説します!
ことのは
ことのは

こんにちは!
国語予備校講師のことのは(@kokugohaku)です!

過去問分析の結果から、効率よく文学史問題を対策するための「よく出るポイント」を解説します。

今回は「歌物語」というジャンルについて。

当記事の内容の出題実績(一例)

・2022年度 京都産業大学
・2021年度 学習院大学・文学部

・2021年度 法政大学
・2018年度 早稲田大学・社会科学

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歌物語の代表作3つ 伊勢物語・大和物語・平中物語

受験文学史の問題で出題される歌物語は3つしかありません。

  • 伊勢物語
  • 大和物語
  • 平中物語
ことのは
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作品の詳細をまとめるよ!

作品名 作者時代ジャンルあらすじ1point
伊勢物語?『源氏物語』以前の平安時代歌物語在原業平と思われる男の恋愛遍歴「在原業平を主人公とする作品」を聞く問題でも頻出
大和物語?『源氏物語』以前の平安時代歌物語(和歌を中心とした短編集)
平中物語?『源氏物語』以前の平安時代歌物語(平中という男の恋愛遍歴)

「歌物語」で頭に入れておくのは3ポイント。

  1. 「歌物語」と言われたら「伊勢・大和・平中」の3作品を思い出す
  2. 成立年代:「歌物語」は『源氏物語』以前の平安時代に成立した作品である
  3. 『伊勢物語』の主人公はは在原業平をモデルにしたと考えられている。

歌物語に関わる問題は上記3ポイントしか出題されません。

「『伊勢物語』と同じく歌物語に分類される作品は?」系の問題を対策するために①を覚えておきましょう。よく出題されます。

同じく歌物語でよく出題されるのが②の「成立年代」。

歌物語3作品と、作り物語3作品を合わせて『源氏物語』が成立したと言われています。
「平安時代」だけでなく、『源氏物語』以前に成立というところまで覚えておきましょう。
 →詳細は【『源氏物語』以前に成立した作品まとめ】へ

さらに、歌物語の中でも一番有名な『伊勢物語』の主人公のモデルとなったと言われている「在原業平」の名前を問う問題が頻出です。

・歌物語は「伊勢物語・大和物語・平中物語」の3作品
・歌物語の成立年代は『源氏物語』以前の平安時代
・『伊勢物語』の主人公は在原業平がモデルと言われている。

「歌物語」とは和歌がメインの物語のこと

そもそも「歌物語」って何?

ことのは
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「歌物語」はジャンルの名前で、和歌をメインとする物語のことだよ!
詳しく解説するね。

平安時代は和歌のやりとりが盛んで、感動を表現したり、気持ちを伝えたりするために、カジュアルに和歌を詠んでいました。

奈良時代の『万葉集』など、素晴らしい和歌を後世に残すために作られたのが和歌集です。

時代が進むと、和歌だけではなく「ある和歌をどういう状況で詠んだのか」と説明がつくようになっていきます。(説明書きのことを「詞書:ことばがき」と言います)

和歌は五七五七七の合計31音という限られた中で凝縮して気持ちを表現しなければなりません。

和歌そのものを楽しむのでもいいのですが、なぜその和歌を詠むことになったのか?もわかるとより味わえそうな感じがしますよね。

『走れメロス』は、物語単体でも面白いけれど、作者太宰治の借金エピソードが元になっていることを知るとまた違った面白さがある、のと同じです。

歌物語の特徴を『伊勢物語』東下りで確認してみよう

歌物語の作品『伊勢物語』の一節、教科書にもよく出てくる「東下り」を見てみましょう。

ことのは
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授業で習った人も多いかな?

まずは東下りに出てくる「和歌」を紹介します。

から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞ思ふ

(口語訳)

唐衣は着ているとなれる、私にはその、なれ親しんできた愛しい妻が京にいるので、はるばるやってきた旅をしみじみ物悲しく思うのだよ

和歌だけでも十分、愛する妻と離れてしまったつらさが伝わってきます。

(さらに、掛詞:なれ・つま・はるばる・きぬる、枕詞、序詞、縁語など、たった31文字の中に修辞法=和歌の技がぎっしり)

次に「物語部分(詞書)」を見てみましょう。

ある男が都から田舎に引っ越ししようとして、徒歩で旅をしています。
(当時は車も電車も無いので仕方がない)

歩いている途中に「かきつばた」という花を見つけます。

「かきつばた」を見つけた旅仲間がある男に一言。

ある旅仲間
ある旅仲間

「かきつばた、といふ五文字を句のかみに据ゑて、旅の心をよめ」
訳:「かきつばた」という5文字を句の頭において、旅の気持ちを詠んでください

このお題に答えて男は和歌を詠みます。

これが先ほど紹介した和歌です。

もう一度和歌を見てみましょう。

ら衣 
つつなれにし 
ましあれば 
るばるきぬる 
びをしぞ思ふ

「五七五七七」の頭の音をつなげて読んでみる(太字)と「かきつはた」になりますよね。

旅仲間のお題は
・句の頭に「かきつばた」をいれること
・旅の心情を詠むこと
だったので、どちらの条件もクリアしています。

たしかに状況説明があった方が分かりやすい気がする…!

ことのは
ことのは

そうだね。
和歌単体でも楽しめるけれど、「句の頭をつなげるとかきつばたになる!」って発見できたり、「なんでかきつばた?」という疑問が解消したりするね。

歌物語は、あくまで和歌がメイン・物語は状況説明です。
でも、前後のストーリーがあった方が状況がよく伝わりますね。

さらに時代が下ると、和歌よりも説明(物語)が長くなっていき、『源氏物語』のような作り物語へと発展していきます。

歌物語は「和歌がメインで、状況を物語風に説明した」文学作品のジャンル

歌物語のポイントまとめ

この記事のポイントをまとめます!

★歌物語は「伊勢物語・大和物語・平中物語」の3作品
★歌物語の成立年代は『源氏物語』以前の平安時代

知識が出題されるのは上の2ポイント。
加えて【歌物語は「和歌がメインで、状況を物語風に説明した」文学作品のジャンル】というジャンルの特徴も知っておきましょう!

次は練習問題にチャレンジしてみよう↓

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