・「作り物語」の代表作
・「作り物語」とは何か
・文学史対策のために覚えるポイント
を解説します!

こんにちは!
国語予備校講師のことのは(@kokugohaku)です!
過去問分析の結果から、効率よく文学史問題を対策するための「よく出るポイント」を解説します。
今回は「作り物語」というジャンルについて。
・2018年度・2020年度 京都産業大学
・2016年度 三重大学
作り物語の代表作3つ 竹取物語・うつほ物語・落窪物語
文学史問題で頻出の作り物語は次の3つです。
- 竹取物語
- うつほ物語(宇津保物語)
- 落窪物語

作品の詳細をまとめるよ!
作品名 | 作者 | 時代 | ジャンル | あらすじ | 1point |
竹取物語 | ? | 『源氏物語』以前の平安時代 | 作り物語 | かぐや姫のはなし | 最古の物語 |
うつほ物語 | ? | 『源氏物語』以前の平安時代 | 作り物語 | (全20巻の長編小説) | ー |
落窪物語 | ? | 『源氏物語』以前の平安時代 | 作り物語 | 継子いじめ | 同類型に ・住吉物語 ・鉢かづき |
作り物語を題材にした問題として出題されるのは2ポイント+α
- 「作り物語」と言われたらまずは「竹取・うつほ・落窪」の3作品を思い出す
- 成立年代:「竹取・うつほ・落窪」の3作品は『源氏物語』以前の平安時代に成立した作品である
上記2点を覚えておけば問題も解きやすくなります。
「作り物語」とは現代の小説っぽいもの

「作り物語」ってなに?

ずばり「作られた物語」のこと。
現代の感覚で言うと小説に近いものだよ。
それまでは、当時存在が信じられていた神を題材にした神話や、心情表現する和歌が「文学」だと考えられていました。
西暦900年くらい(平安時代初期)くらいから、架空の人物が出てくる「物語(=フィクション)」作品が書かれるようになりました。
作り物語の代表作のあらすじを確認!
「作り物語」でよく出題されるのは、先ほど紹介した2ポイント。
加えて、各作品がどんな特徴・あらすじを持っているのか確認してみましょう。
竹取物語
『竹取物語』について知っておくべきポイントは次の2つ。
②かぐや姫の物語
『竹取物語』は「日本最古の物語」と言われます。
『源氏物語』では「物語出で来始めの祖(おや)」と書かれています。
もう一つはあらすじ。
かぐや姫の話は知っていますか?
竹からかぐや姫が生まれて月へ帰っていく話ですね。
『竹取物語』ではもう少しストーリーがあります。
↓
5人の貴公子の求婚を無理難題を押し付けて事実上断る
↓
帝からの求婚も断る
↓
月に帰っていく
読解問題でも『竹取物語』は出題されますので、大まかなあらすじを知っておくことは有利になりますね。
落窪物語
『落窪物語』について知っておくべきポイントは次の2つ。
・同じく「継子いじめ」の型を持つ作品は『住吉物語』と『鉢かづき』
「継子いじめ」とは、再婚した義父または義母が継子(=再婚相手の子供)をいじめることです。

似たような話を知りませんか?
そう「シンデレラ」です!
シンデレラも、継母(と姉)にいじめられて、舞踏会に行けないというところから話が始まります。
『落窪物語』のストーリーも型は似ています。
↓
落窪の君が美人といううわさを聞きつけた「少将」という男の人と出会う
↓
なんやかんや困難がありつつも少将と落窪の君は結ばれる
↓
継母に復讐を果たす
困難がありつつも、最終的には少将(=シンデレラでいう王子様)と結ばれ、継母を悔しがらせるところまで、ストーリーの型はそっくりですね。
同じように、継子いじめのストーリーを持つものとして『住吉物語』と『鉢かづき』という作品があります。
特に『住吉物語』との関連はよく出題されますので、まとめて覚えておきましょう。
作り物語のポイントまとめ
この記事のポイントをまとめます!
★「竹取・うつほ・落窪」の3作品は『源氏物語』以前の平安時代に成立した作品である
★『竹取物語』は日本最古の物語
★『竹取物語』かぐや姫の基になった物語
★『落窪物語』は「継子いじめ」(=シンデレラストーリ)である
★『落窪物語』同じく「継子いじめ」の型を持つ作品は『住吉物語』と『鉢かづき』
『うつほ物語』のあらすじについて問われる問題は見たことがありません。
(全20巻の長編小説なので、ひとことであらすじを説明するのがとても難しいのです…)

『源氏物語』以前に成立した作り物語ついての問題は、当記事の内容を理解しておけば9割の問題は解けるはず!
では、次に理解度をはかる練習問題に挑戦してみよう!
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