・大学受験の古文の文法を学びたい人
・四段活用の動詞について知りたい人
こんにちは!
国語予備校講師のことのは(@kokugohaku)です!
古文は絶対できるようになります!
必要な知識をきちんと学べば読めるようになります。
古文の必要知識を、百人一首を使って学んでいこう!というコーナーです。
20:わびぬれば いまはたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思ふ
傍線「あは」を文法的に説明してください。
【① ハ 】行
【② 四段 】活用 動詞
【③ あふ (終止形)】の
【④ 未然 形】
※【 】内を反転させると答えが見られます
この4つの空欄はすっと埋められましたか?
古文の最初に学ぶ動詞の活用です。
さて、本日のポイントを確認してみましょう。
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今日のポイント:四段活用
今日は四段活用について勉強します。
今日の解説:四段活用
動詞の活用の種類は全部で9種類です。
そのうちの1つが今回紹介する「四段活用」です。
③の終止形について考える
動詞は「活用する」単語です。
(「活用する」がどういう意味かアヤシイ人は用語集へ。「①活用」を参照)
「活用する」単語は下に来る単語によって、単語そのものの形が変わります。
活用する単語を文法的に説明するときは、まず③の終止形から考えるとわかりやすいです。
終止形は「言い切りの形」とか「終止形」とか名称は様々ですが、要するに「辞書に載っている形」です。
たとえば「歩かない」の意味が分からない時には「歩か」じゃなくて「歩く」で調べますよね。
動詞は基本的に終止形は「ウ段」で終わります。
走るぅー、話すぅー、遊ぶぅー、終止形を伸ばすと「ウ」の音になりますね。
ということは今回問題になっている「あは」の終止形はなんでしょうか。
そう、【③ あふ 】です。
(え、「あう」じゃないの?と思った人はもうちょっと読んでみて!)
②の活用の種類を考える
次に、「あふ」の単語がどう活用するのかを考えてみましょう。
どんな風に活用するかを考えて表にしてみると…。
(活用形について不安な人は用語集へ)
連用:あひ(て)
終止:あふ(。)
連体:あふ(とき)
已然:あへ(ども)
命令:あへ(。)
変化している部分(活用語尾といいます)が、
は・ひ・ふ・ふ・へ・へ
と変化していますね。
これは「はひふへほ」の5段あるうちの4段出て来るので【② 四段活用 】といいます。
①について何行なのかを考える
四段活用の基本形は未然形から順に
「a i u u e e」です。
今回の「あふ」は
「ha hi hu hu he he」の変化なので、【① ハ行 】だと判断できます。
④活用形を考える
ここまで来れば解けたも同然。
四段活用の中で「あは」とア段の音が出てきているのは「未然形」ですね。
答え
よって答えは…
【② 四段 】活用 動詞
【③ あふ (終止形)】の
【④ 未然 形】
四段活用の動詞をどうやって見分けるかは、他の活用の種類が出てきた時に紹介します。
今回は、四段活用の動詞の変化のしかたを覚えておきましょう!
ポイントを再掲します。
今日の復習問題
では、本日の内容を復習していきましょう。
問題
20:わびぬれば いまはたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思ふ
傍線「思ふ」を文法的に説明してください。
【① 】行
【② 】活用 動詞
【③ (終止形)】の
【④ 形】
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答え
③
動詞はウ段で終わるのが基本なので、辞書に載っている基本形は「思ふ」
②
活用形に当てはめてみると、
連用:思ひ(て)
終止:思ふ(。)
連体:思ふ(とき)
已然:思へ(ども)
命令:思へ(。)
「は ひ ふ ふ へ へ」となるので「四段活用」
①
活用表にでてくる「はひふへ」はハ行。
④
活用形は少し悩みますね。
「思ふ」の形になるのは「終止形」と「連体形」の2つあります。
文末に着ているので終止形と思った人。今はそれでいいです。
形から「終止」or「連体」まで絞れていれば今回の目標は達成。
ここでは直前に「ぞ」があるので係り結びの法則により、連体形に変化しています。
後日「係り結び」について紹介しますので、学んでから「連体形だ!」と断定できるようになればOKですよ!
四段活用についてマスターできましたか?
次回もお楽しみに!
今日の一首
わびぬれば いまはたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思ふ 元良親王
(口語訳)
辛い思いに悩んでいますから、今となってはもう(身を捨てたのと)同じことです。
それなら、難波潟にある「みをつくし」の言葉のように、身を捨てても、あなたにお会いしようと思います。
澪標(みおつくし):舟の水路を示す杭
「身を尽くす」と言葉の音が似ているので、掛詞として使われます。
(掛詞については後日紹介)
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