この記事はこんな人に向けて書かれています
・大学受験の文学史対策をしたい人
・『源氏物語』以前に成立した作品をまとめたい人

こんにちは!
国語予備校講師のことのは(@kokugohaku)です!
過去3年分の問題を分析した国語予備校講師が、
効率よく文学史問題を対策するための問題を厳選して出題しています。
さて、本日の問題は?
1.古今和歌集
2.伊勢物語
3.狭衣物語
4.落窪物語
文学史の問題の裏ワザ!
「○○以降に成立した作品」を聞かれたら「○○」についてはよくわからなくても、答えが一つしかないならば、選択肢の中で一番新しいのを選べばいいですよね。
さて、答えは決まりましたか?
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答え
3.狭衣物語
★『伊勢物語』『大和物語』『平中物語』は『源氏物語』以前の歌物語に分類される
★『源氏物語』以前に成立した「作り物語」は『竹取物語』『宇津保物語』『落窪物語』
★『古今和歌集』は平安初期(約900年)の成立
★『蜻蛉日記』は『源氏物語』以前に成立した作品
『狭衣物語』は『源氏物語』よりも成立があとです。
『狭衣物語』のストーリーは『源氏物語』をベースにしているんです。
今回の記事では、文学史対策問題集で紹介した知識をまとめて紹介します。
(この記事がはじめて!という人でも大丈夫です!)
解説~『源氏物語』以前に成立した作品10選+α~
『源氏物語』よりも成立が「前」か「後」か?を聞く問題は文学史の問題でとても多いです。
この記事で紹介することを覚えておくと、解ける問題が圧倒的に増えます!
【基準】約西暦1000年
日本文学史において「約西暦1000年」という基準を知っておくと便利!
1000年は平安時代中期。
争いがなく「平安」な時代で、文化が成熟した時期です。
日本史では藤原道長が権力を握ったのがメインイベント(?)ですね。
この約1000年に活躍した女流文学者が3人。
①和泉式部ー『和泉式部日記』
親王(天皇の息子)と身分違いながらも情熱的な恋愛日記。
(少女マンガみたいなドラマチック恋愛記録)
②清少納言ー『枕草子』
詳しくは文学史対策問題集No.012
③紫式部ー『源氏物語』『紫式部日記』
詳しくは文学史対策問題集No.013
この3人が同時代であることを知っておくと、以下の言い換えができます。
↓
『源氏物語』以降に成立した作品はどれか?
もちろん厳密には違いがありますが、受験文学史の問題ではほぼ同じと考えてもらって問題ありません。
「和泉式部・清少納言・紫式部が同時代の人である」はとても便利な知識です!
『源氏物語』以前に成立した作品10選(+α)
『源氏物語』以前の作品を紹介します。
『源氏物語』以前の作品を覚えてしまえば、あとすべて『源氏物語』よりも後に成立したことになります。
この10作品を知っておくだけで、解ける問題がぐっと増えますよ!
奈良時代の作品なので、平安時代に成立した『源氏物語』より前であることは言うまでもないですかね。
『源氏物語』では和歌がたくさん詠まれています。
それは「歌物語」の流れを汲んでいるからと言われています。
『古今和歌集』が平安初期に成立したことを聞く問題もよく出ます。
『古今和歌集』の撰者と『土佐日記』の作者が同一人物・紀貫之だと分かれば楽勝です。
『蜻蛉日記』も『源氏物語』以前の作品としてよく問題になります。
時代の観点でも覚えておくとお得ですね。
『古事記』『日本書紀』『日本霊異記』
数としては少ないですが、ときどき見かけます。
日本史も勉強している人は、ついでに覚えておきましょう。
『源氏物語』以前に成立した作品10選のまとめ
今回の問題で覚えておくべきことはこちら。(再掲)
★『伊勢物語』『大和物語』『平中物語』は『源氏物語』以前の歌物語に分類される
★『源氏物語』以前に成立した「作り物語」は『竹取物語』『宇津保物語』『落窪物語』
★『古今和歌集』は平安初期(約900年)の成立
★『蜻蛉日記』は『源氏物語』以前に成立した作品
紹介した10作品が問題としてよく出題されます。
逆に言うと、この10作品以外はよっぽどのマニアック作品でない限り『源氏物語』(=『枕草子』『和泉式部日記』)よりも後に成立したと言えます。
対策するとコスパがいい超おトク知識です。
本日はここまで!
おつかれさまでした!
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