・大学受験の文学史対策をしたい人
・「勅撰和歌集」について知りたい人

こんにちは!
国語予備校講師のことのは(@kokugohaku)です!
過去3年分の問題を分析した国語予備校講師が、
効率よく文学史問題を対策するための問題を厳選して出題しています。
さて、本日の問題は?
次のうち、成立が最も古い勅撰和歌集はどれか?
1.千載和歌集
2.万葉集
3.古今和歌集
4.拾遺和歌集
特に日本史を履修していない人にとっては知らない単語ばかりかもしれません。
文学史の問題は悩んで正解がわかるものではないので、わからないものは適当に選んで、読解問題などほかのところで点数を取ることに時間を使いましょう。
さて、(適当だとしても)答えは決まりましたか?
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答え
3.古今和歌集

こんなん覚えきれんわ!
はい。ごもっともです。
詳しい解説と覚え方(ゴロ合わせ)を↓で紹介しますので、もう少しお付き合いください。
解説~勅撰和歌集とは?~
「勅」という字には「天皇の」という意味があります。
例えば「勅命」といえば「天皇の命令」、「勅許」といえば「天皇のおゆるし」。
ですので、「勅撰和歌集」は「天皇が選んだ」or「天皇の命令で作られた」和歌集のことをいいます。
それぞれの和歌集のことを説明し始めると長くなってしまいますので、文学史の対策として覚えておいてほしいことは2つ!
【時代感覚・順番】です。
時代感覚
★『新古今和歌集』は鎌倉初期(約1200年)の成立
『古今和歌集』と『新古今和歌集』は問題になりやすいのでまた詳しくやりますが、覚えるべき8つの和歌集の最初と最後の時代をおさえてしまいましょう。
最初に成立した『古今和歌集』→平安時代はじめ
最後に成立した『新古今和歌集』→鎌倉時代はじめ
成立順:ゴロ合わせ紹介
上で覚えた『古今和歌集』と『新古今和歌集』の間の和歌集の成立順をおぼえちゃいましょう!
拾った→拾遺和歌集
あと→後拾遺和歌集
きん→金葉和歌集
し→詞花和歌集
せん→千載和歌集
この6つの和歌集が、ゴロ合わせのとおりの順番で
『古今和歌集』と『新古今和歌集』の間にはさまると思ってください。
古今→ごせん→拾った→あと→きん→し→せん→新古今
の順番ですね。
ゴロ合わせの和歌集6つをまとめて「六大集」と言ったり、
6つに『古今和歌集』と『新古今和歌集』を加えて八大集と言ったりします。
『古今和歌集』と『新古今和歌集』は和歌集の中身(歌風・作者など)を聞かれることがありますが、六大集に関しては、成立年代に関する問題がほとんどです。
ちなみに、テキストによっては
『古今和歌集』のことを『古今集』、
『後撰和歌集』のことを『後撰集』と表記しますが、
これは省略形なので、同じものです。
さいごに…『万葉集』が答えにならない理由

最古の和歌集は『万葉集』やろ!
前の「文学史対策問題集」に書いてあった!
ここまできて『万葉集』が答えにならないことに関してまだ納得がいっていない人。
確かに以前文学史対策問題集No.001で『万葉集』は「現存最古の和歌集」だと紹介しました。
ちゃんと知識が定着しています。素晴らしい!
『万葉集』は最古の和歌集ではあるのですが、「勅撰和歌集」には該当しないのです。
『万葉集』の編纂に天皇は関わっていないようです。
まとめ
今回の問題で覚えておくべきことはこちら(再掲)
★『古今和歌集』は平安初期(約900年)の成立
★『新古今和歌集』は鎌倉初期(約1200年)の成立
★六大集は「五千円拾ったあと、禁止せん!」(ごせんえん ひろった あと きん し せん)」で覚える!
ちなみに、鎌倉時代に成立した『新古今和歌集』のあとも勅撰和歌集は作り続けられ、八大集のあとに十三大集とよばれる13の和歌集が成立し、合計で二十一大集とも言われます。
(大学入試問題では出ないので覚えなくていいです)
本日はここまで!
おつかれさまでした!
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