文学史対策問題集No.018~『大鏡』について解説

文学史対策問題集

この記事はこんな人に向けて書かれています

・大学受験の文学史対策をしたい人
・『大鏡』について知りたい人

ことのは
ことのは

こんにちは!
国語予備校講師のことのは(@kokugohaku)です!

過去3年分の問題を分析した国語予備校講師が、
効率よく文学史問題を対策するための問題を厳選して出題しています。

さて、本日の問題を見てみましょう!

次のうち『大鏡』は誰の栄華を中心として描いている作品か。

1.藤原道長
2.徳川家康
3.平清盛
4.在原業平

『大鏡』は読解問題としても頻出の作品です。
内容・あらすじを知っておいて損はありませんよ!

さて、答えは決まりましたか?

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答え

1.藤原道長

★『大鏡』は藤原道長の栄華を描いた歴史物語

今回の問題は単純な一問一答問題です。
知っているか知らないかの問題です。
もし知らなかった場合は下の解説を読んでマスターしてしまいましょう!

解説~『大鏡』の基礎データ~

まずは『大鏡』の基礎データから確認していきますね。

【成立年代】平安時代中期(藤原道長の時代)
【作者】不明
【ジャンル】歴史物語
【あらすじ】藤原道長の栄華を老人2人が語る形式で進む歴史物語

歴史物語の概要に関しては前回の文学史対策問題集No.017を参考にしてください。
言ってしまえば「歴史を物語風」に書いたものです。

では、ここからは『大鏡』とよく比べられる『栄花物語』との比較しながら作品の特徴を確認していきましょう!

『栄花物語』について解説!

まずは『栄花物語』について確認しましょう。

基礎データとしては『大鏡』とほぼ変わりません。

藤原道長の栄華を中心に描いたもので、藤原家の人々や関わりのある人がたくさん出てきます。

『栄花物語』の特徴は「編年体」であること。

編年体:出来事を年代順別に記録していく
イメージとしては年表に説明書きをつけていくようなものでしょうか。
1900年には○○という出来事、1901年には○○という出来事があったよ、ということをひたすら並べていきます。
 
時代の流れはとても把握しやすいのですが、逆に物事の因果関係やつながりが直接示されるわけではないのが難しいところ。

少し語弊があるかもしれませんが、時代順に進んでいく日本史の教科書のようなイメージです。

『大鏡』について解説!

ことのは
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『大鏡』は藤原道長の栄華を物語形式で描いたもの!

たくさんの人が出てくるのですが、主な主人公は藤原道長。
権力を持つに至った過程を書いています。

『大鏡』の一番大きな特徴は「語り手」の存在。
『大鏡』のはじまりは「雲林院の菩提講」と設定されます。

雲林院というお寺で、ありがたいお話(=菩提講)を聞きにたくさんの人がやってきます。
当時の人にとっては一大イベントでした。
ありがたいお話が始まるまでは、あっちこっちで私語が。
学校の休み時間のようです。

その中で異彩を放っているのは大宅世継(180歳)と夏山繁樹(170歳)というおじいちゃん。

私は歳をとりすぎて、思い出話に付き合ってくれる人がいないのが悲しかった。こんなところで年齢が近く、思い出話ができそうな人に会えてとてもうれしい!

と、意気投合。

(確かに180歳の人の思い出話についていけそうな人間はいなさそう)

じゃあありがたいお話が始まるまで思い出話をしましょうか、という設定で歴史の紹介が始まります。

扱っている内容は『栄花物語』と変わらないのですが、老人二人が「見てきたこと」として語っているのです。

そして、先ほどの『栄花物語』が「編年体」だったのに対して、『大鏡』は「紀伝体」という方式で書かれます。

紀伝体:出来事や人物に焦点を当てて歴史を記録する方法

特に『大鏡』は人物に焦点を当てて紹介しています。

編年体とメリットデメリットが全く逆になります。

物事の因果関係をつかむにはとても分かりやすいのだけれど、時代感覚をつかむのは少し難しいです。

さらに人物ごとに書いていくので、同じ出来事をAさん視点・Bさん視点・Cさん視点…と複数回書く必要も出てきてしまいます。

これも少し語弊があるかもしれませんが、世界史の教科書に近いように思います。
中国の歴史・エジプトの歴史・ヨーロッパの歴史…など、土地ごとに勉強していきますよね。

歴史のつながりは分かりやすくなるけれど、時代感覚をつかむのが難しくなります。

『栄花物語』『大鏡』のまとめ

今回の問題で覚えておくべきことはこちら。(再掲)

★『大鏡』は藤原道長の栄華を描いた歴史物語
ちなみに、文学史対策問題集No.017で紹介した歴史物語は5つありました。
 
はな(栄花物語)・だい(大鏡)はよく問題になりますが、残りの
・『今鏡』(平安時代)
・『水鏡』(鎌倉時代)
・『増鏡』(室町時代)
は(作品そのものはおもしろいのですが)極端に言えば『大鏡』の「語り」を生かした二番煎じです。

扱う時代が変わるので、内容も変わります。

本日はここまで!
おつかれさまでした!



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