・『枕草子』の基礎知識(作者・成立年代・あらすじ)
・文学史対策のために覚えるポイント
を解説します!
こんにちは!
国語予備校講師のことのはです!
日本文学作品はたくさんありますが、大学入試問題で出題される作品や問題には偏りがあります。国語予備校講師が、過去問5年分以上分析した結果から「よく出るポイント」だけに絞って解説しています。
このページは『枕草子』の文学史の知識がほぼカバーできるように作っています。知識整理にお役立てください。
・2022年,2017年 明治大学
・2021年 防衛医科大学校
ほか
『枕草子』の基礎知識 作者・成立年代・ジャンルは?
まずは『枕草子』(まくらのそうし)の基礎知識を整理します。
作品名 | 作者 | 時代 | ジャンル | 内容 | ポイント |
枕草子 | 清少納言 | 平安時代 (約1000年) | 随筆 | 清少納言が中宮定子に仕える中で感じたこと | 「をかし」の文学と評価される |
では、覚えるポイントをひとつずつ確認していきましょう。
作者:清少納言
『枕草子』の作者は清少納言(せいしょうなごん)です。
もちろん知っておくべきではありますが、有名過ぎてあまり問題になっていません。
清少納言の父は「清原元輔」という当時の有名な歌人です。
成立年代:平安時代(約1000年)
『枕草子』の成立は平安時代(約1000年)成立です。
1000年は有名な文学作品が成立しています。よく成立年代が問題になっていますので、確認しておきます。
・和泉式部日記
・枕草子
・源氏物語
・紫式部日記
和泉式部・清少納言・紫式部の3人は、ほぼ同じ時代を生きた人なのでまとめて覚えておくとよいです。
文学史問題としては頻出なので、詳しくは【年代攻略】『源氏物語』以前の作品まとめを参照してください。
ジャンル:随筆
『枕草子』のジャンルは「随筆」です。
随筆とは、「他者に読まれる前提の日記」です。
自分の意見とか、感じたこと・思ったことを文章にしたものです。「エッセイ」ともいいますね。
『枕草子』『方丈記』『徒然草』、この3作品をまとめて、日本三大随筆と呼んでいます。
内容:清少納言が中宮定子に仕える中で感じたこと
『枕草子』には、宮中で働く中で清少納言が感じたことが書かれています。
清少納言は、時の天皇・一条天皇の妻である「定子」に仕えていた女房(=お手伝い係)でした。
当時一番洗練されていた高貴な場所である宮中で、定子をはじめ、いろんな人との交流や気づきなどが、鋭い観察眼とユーモアも交えて描かれています。
『枕草子』は内容から3つの種類に分けられます。
- 類聚的章段
- 一つテーマを決めて、そのテーマに合うものを列挙する文章。
ex:嫌なモノ。硯に髪の毛が入ってしまうこと。扉を開けて閉めないヤツ。(意訳) - 随想的章段
- 自然や出来事に対して感想を述べた文章。
ex:春はあけぼの。(春は夜明けが良い) - 日記的章段
- 宮中で仕えていた日々を振り返る文章。
一緒に働いていていた人、お仕えしていた定子とのやり取りを中心に描かれる。
『枕草子』の内容は、現代でも「あるある!」とくすっとしてしまうようなネタがちりばめられており、とてもおもしろいですよ。
ポイント:「をかし」の文学と評価される
『枕草子』は江戸時代の学者から「をかし」の文学と評価されています。
「をかし」とは「(interesting的な)おもしろい・趣がある」の意味です。
『源氏物語』が「あはれ」の文学と呼ばれるのと対比されています。
『枕草子』はココが出る!まとめ
『枕草子』で覚えるべきポイントをまとめます。
チェックポイント
・『枕草子』の作者は清少納言
・『枕草子』は平安時代(約1000年)に成立
・『枕草子』のジャンルは随筆
・日本三大随筆とは『枕草子』『方丈記』『徒然草』
・『枕草子』は清少納言が中宮定子に仕える中で感じたことが書かれる
・『枕草子』は「をかし」の文学と評価される
『枕草子』の基礎知識の確認はここまで。
お疲れさまでした!
練習問題も準備していますので、知識が定着しているか確認してみましょう↓
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