【徒然草】作者・成立年代・あらすじは?~国語予備校講師の文学史解説~

★基礎知識編
当記事では大学受験の文学史対策をしたい人に向けて
・『徒然草』の基礎知識(作者・成立年代・あらすじ)
・文学史対策のために覚えるポイント
を解説します!
ことのは
ことのは

こんにちは!
国語予備校講師のことのはです!

日本文学作品はたくさんありますが、大学入試問題で出題される作品や問題には偏りがあります。国語予備校講師が、過去問5年分以上分析した結果からよく出るポイントだけに絞って解説しています。

このページは『徒然草』の文学史の知識がほぼカバーできるように作っています。知識整理にお役立てください。

【徒然草】に関する問題の出題実績例
・2021年 琉球大学
・2016年 埼玉大学
ほか
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『徒然草』の基礎知識 作者・成立年代・ジャンルは?

まずは『徒然草』(つれづれぐさ)の基礎知識を整理します。

作品名作者時代ジャンル内容ポイント
徒然草兼好法師鎌倉時代後期随筆兼好法師が感じたことの記録

では、覚えるポイントをひとつずつ確認していきましょう。

作者:兼好法師

『徒然草』の作者は兼好法師(けんこうほうし)です。

「吉田兼好」とか「卜部兼好」とか表記されていることもあります。研究者の中でも分かれているところなので、「兼好」を覚えておけば対応できるはずです。

成立年代:鎌倉時代後期

『徒然草』の成立年代は鎌倉時代後期です。

『徒然草』は日本三大随筆の一つです。
同じく日本三大随筆に分類される『方丈記』も鎌倉時代の成立なので、『方丈記』・『徒然草』どっちが先に成立したのかを把握するために鎌倉時代「後期」のところまで覚えておきましょう。

成立年代を表にするとこんな感じ↓

【日本三大随筆】
平安時代(約1000年)
枕草子

鎌倉時代前期
方丈記

鎌倉時代後期
『徒然草』

随筆という同じジャンルで並び替えをする問題も見かけますので、整理しておきましょう。

ジャンル:随筆

『徒然草』のジャンルは「随筆」です。

随筆とは、「他者に読まれる前提の日記」です。
自分の意見とか、感じたこと・思ったことを文章にしたものです。「エッセイ」ともいいます。

内容:兼好法師が感じたことの記録

『徒然草』は作者:兼好法師が経験したことや、そこから感じたことを記録していく文章です。

【冒頭】
つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)に向かひて、心にうつりゆくよしなしことを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

(意訳)
退屈に任せて、一日中、硯に向かって、心に浮かんでくる取るに足らないことを、とりとめもなく書きつけていくと、不思議なくらい熱中して変な気分になってくる。

作者:兼好法師が、心に浮かんだことを取りとめもなく記録していく、という言葉から『徒然草』は始まります。

教科書にも載っている『仁和寺にある法師』『猫また』『高名の木登り』などはまさに、「作者の経験したこと」+「感じたこと」で構成されている文章です。

『徒然草』はココが出る!まとめ

『徒然草』で覚えるべきポイントをまとめます。

チェックポイント

・『徒然草』の作者は兼好法師

・『徒然草』の成立年代は鎌倉時代後期

・『徒然草』のジャンルは随筆

・日本三大随筆とは『枕草子』『方丈記』『徒然草』

・『徒然草』の内容は兼好法師が感じたことの記録

『徒然草』の基礎知識の確認はここまで。
お疲れさまでした!

練習問題も準備していますので、知識が定着しているか確認してみましょう↓

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